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「早春の軽井沢へvol.4 池原義郎 プリンスショッピングプラザ」

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 先日の軽井沢紀行の際、私が好きな建築家の一人「池原 義郎」の設計による「軽井沢ショッピングプラザ・ニューイースト」も何年か振りに訪ねて来ました。正面の伸びやかな曲面の大屋根が架かる建物がそれ。左側の円形の建物は「柳澤孝彦」設計のレストラン「アーティチョーク」です。

 地元長野県の唐松を張った屋根の跳ね出し長さは相当なものですが、あくまでも軽やかな振る舞いで、鈍重さは感じません。まるで天の羽衣が大地に舞い降りたかの様な美しさです。屋根のカーブの美しさに加え、それぞれが異なる曲率でデザインされている事も、軽快さの演出に寄与しています。この屋根の鉄骨の制作図は、なんと2000枚を超えたそうです。
 内部はテント幕を張った明るいモールとなっていますが、流石はディティールに徹底的にこだわる池原氏の設計!屋根を構成する鉄骨もあくまで存在感は薄く、光を透過するテント幕の効果を最大限に引き出しています。

 軽井沢駅前に位置しているのが信じられないほど、雄大で伸びやかな自然を身体いっぱいに感じながら、ショッピングを楽しむ事ができます。一般客にとって、この建築の蘊蓄はほとんど無意味かも知れませんが、この身も心も解きほぐされる様な開放感の体験を、建築家が積み重ねたスタディの数々が黙々と支えています。
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「TDMCシンポジウム@サンゲツ名古屋ショールーム」

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 先週末、5月15日に私も加盟している「TDMC」のデザインシンポジウムに参加してまいりました。聴衆としてではなく、トークセッションを行う8名のうちの一人として・・・。
 他の方々は名古屋を拠点に活躍する錚々たる面々。しかも私の両隣は、深江章一氏と村上心氏。正直言って、かなり緊張しました。

 「自然から学び生かすデザイン」や「使われる為のデザイン」など、10のテーマについて意見を語り合いました。大勢で話す事に慣れていない私ですが、自分なりの意見を言葉にしようと頑張りました。学生の方も多くみえていましたが、果たしてどれだけ伝わった事か・・・。
 終わって見れば、あっと言う間の1時間半でしたが、とても良い勉強をさせて頂いたと思います。

「TDMCシンポジウムのポスター」

早春の軽井沢へvol.3「ケンドリック・ケロッグ 石の教会」

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 今回の軽井沢旅行で一番印象に残った建築が、ケンドリック・ケロッグ設計による「石の教会 内村鑑三記念堂」でした。まるで戦時中の遺構を思わせるような、ゴツゴツとしたコンクリートアーチの架かる礼拝堂で、その地下には基督教思想家「内村鑑三」の記念館があります。
 現在のコンクリート打ち放しのイメージとは程遠い、力強いコンクリートのアーチはあまりに武骨で、その重厚さ、存在感に驚かされます。しかしながら、基壇部分に積まれた石とともに風雪にさらされた表情からは、自然の中に溶け込みそうな不思議な素朴さも感じます。

 この連続するアーチの隙間にはガラスが嵌め込まれていて、そこから礼拝堂に差込む光の美しさ、神々しさに思わず言葉を失ってしまいます。この武骨なコンクリートのアーチは男性を、隙間から木漏れ日のように差込む光は女性を表現したモノだそうです。
 メキシコで活躍した、コンクリートのシェルとその隙間から差込む光を非常に上手く扱うフェリックス・キャンデラという建築家がいます。学生の頃から大好きな建築家の一人で、彼の設計した教会を、私は写真集の中でしか見た事がないのですが、この石の教会の内部空間に立って、その作品を疑似体験したかのように錯覚してしまいました。コンクリートや石でできた洞穴のような空間に溢れる光の粒子。十字架は無くとも、そこは紛れも無い祈りの場として成立しているという事実に、ただただ感動せざるを得ませんでした。
 教会と言う事で内部は撮影禁止。ホームページに美しい写真があるので、是非ごらんください。

早春の軽井沢へvol.2「吉村順三 脇田邸」

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 前回に続く軽井沢ネタNo.2は、「吉村順三」(1908-1997)設計による「脇田邸」です。彼は、前回UPした「アントニン・レーモンド」に師事した建築家で、モダニズムを学び、先端技術を採用したオフィスビルを手がける一方で、日本の木造建築の要素を採入れた心安らぐ作品も数多く残しています。ちなみに1962年竣工のNCRビル(東京都)において、ダブルスキンのカーテンウォールを日本で初めて採用したのは彼で、その先見性には驚くばかりです。

 この建築は、画家であった脇田和のアトリエ兼住宅で、RC造の1階部分から跳ね出すように木造の居室が載せられている構成は、設計者自身の「軽井沢山荘」と同じスタイル。しかし、軽井沢山荘と比べ、水平方向に拡がりを持っており、さらに庭を囲むように折れ曲がっているプランが特徴です。また居住空間を地面から浮かせているのは、地表面に滞留する湿気を避けるためですが、こちらは一部ピロティを用いているのも、軽井沢山荘との相違点です。
 軽井沢の空気を肌で感じる事が出来る、ピロティの半屋外空間に身を委ねてみると、単なる目新しさや、機能性だけでは語れない、吉村順三の建築に対するメッセージが聞こえてくるようです。場所の特徴を生かした魅力ある設計手法から、大いに刺激を受けました。

 現在はこの敷地内に、大手ゼネコンの設計施工による「脇田美術館」(1991)が、この「脇田邸」を取り囲むように建てられているのですが、そのボリュームが大きく、さらに近接している為に、この建物の魅力がスポイルされている様に感じました。少々残念な点です。

Profile


六鹿 篤
mutsuga atsushi
建築設計事務所 「Architect6」代表

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Author:mutu

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